8月も後半を迎えましたが、まだ暑い日は続いております。熱中症予防のためにも水分補給は重要ですね。日本で、クリーンな水を手に入れることは難しくありませんが、世界では21億人が安全な飲み水を入手できない状況があります。過去50年で人口はほぼ倍増しましたが、水の消費量は4倍近くになっているそうです。そんな中で、より一層「資源」として水を守ることの重要性が増しているのではないでしょうか。今回ご紹介するのは、イタリアンシルク製造時に使用した水を回収し、精製したリサイクル原料である「シルク水」でございます。

 

シルク(又は絹)は、蚕(Bombyx mori)の繭から得られる繊維であり、美しい光沢を放つ「繊維の女王」として古来より数多くの人々に愛されてきました。シルクにはセリシンとフィブロインという2種類のタンパク質が含まれており、これらを構成する18種類のアミノ酸は我々の肌と高い親和性をもちます。この特徴によりシルクは衣類の材料としてのみならず、化粧品の素材としても多大な付加価値を持っております。

 

蚕の繭からは極細の繭糸が引き出され、これを数本揃えて生糸と呼ばれる繰糸がつくられます。生糸の中心にはフィブロインがあり、その周囲を粘着性のあるセリシンが覆うことで糸同士を接着しています。生糸がそのまま利用されることは稀で、熱湯などにより表面のセリシンを落とす精錬と呼ばれる工程が一般的に用いられています。

 

絹を作っていく流れの中で産出される副産物のうち最も多いのが、精錬時に排出される多量のセリシンを含んだ「水」です。RESPHARMA社(伊)のMORIPURE®シリーズは、イタリアのシルク産業でこれまで廃棄していた副産物を回収し、「廃棄物ゼロ」の観点から機能性の優れた成分として再生した環境に優しい原料でございます。

 

◆再生工程

この水代替原料として使用可能な「シルク水」にご興味をお持ちいただけた方は、cosme@gsi.co.jpまたは、〈お問い合わせページ〉より、お気軽にお問い合わせください。

 

参考文献:
unicef 『衛生施設と飲料水の前進:2017年最新データと持続可能な開発目標(SDGs)基準(原題:Progress on Drinking Water, Sanitation and Hygiene: 2017 Update and Sustainable Development Goal Baselines)』
外務省『OECDによる世界水フォーラムへの貢献(報告書の公表)』